個人目標の重要性を理解したら、さっそく目標を設定していきましょう。目標設定の方法はいくつかありますが、最もポピュラーなのは「ベーシック法」です。ベーシック法は「目標項目の設定→達成基準の設定→期限の設定→達成計画」の順で進めていきます。
「スキルの向上や強化」が目標となるなら、まずは現在取り組んでいることを振り返り、スキルを磨くためには何が必要かを考えます。その場合の目標例文は「介護職員初任者研修を修了したので実務者研修の取得を目指し学習する」といった内容になります。「問題の改善や解消」が目標となる場合は、今抱えている問題の内容を具体的に把握し、改善するためにどのような行動を取るべきかを考えます。その場合の目標例文は「認知症の利用者の行動が理解できず上手くケアができないので認知症ケアに関する知識を学ぶ」といった内容になります。「維持や継続」が目標となる場合、今取り組んでいることを継続して行い、現状を保つために必要なことをピックアップします。その場合の目標例文は「介護福祉士取得のための勉強を毎日1時間してきたので、試験日まで継続して行う」といった内容になります。「創出や開発」が目標となる場合、新しいことに挑戦するために必要な取り組みを考えます。その場合の目標例文は「これまで職場で行われている研修にしか参加してこなかったが、これからは外部で開催されている勉強会にも参加する」といった内容になります。
このように、「ここまですれば目標達成」という明確なラインを引くことが大切です。「模擬試験で80点以上」「参考書を毎日10ページ以上」など、目標達成までの基準を具体的な数字や状態で示すことで今自分が何をすべきかが明確になります。
「〇月〇日までに達成する」といったように詳細な期限を決めましょう。特に資格取得に取り組む場合は必須です。達成計画は、最終的な目標を達成するために必要なことをクリアしていくためのスケジュールです。「〇月までに参考書を読み終える」「〇月までに試験の予想問題を解き終える」といった内容になります。
高すぎる目標や自分の意思とは異なる目標を設定しないように注意してください。現状から考えてあまりにもハードルの高い目標は、当然ながら達成が困難です。高すぎる目標を設定することで、精神的なストレスやモチベーションの低下につながる恐れがあります。達成感を味わえない状況が続くと自己肯定感が下がってしまうのです。あらかじめ自分の現在の知識やスキルを分析・把握した上で達成可能な目標を設定するようにしましょう。
新人の頃は基礎力を身に付けて業務に慣れることから始まります。3年ほど経験を積んだ後は上位資格の取得を目指しましょう。ベテランになってからでも「ケアマネジャー」や「社会福祉士」などの資格を取得することでより高度な業務に関われます。