思い切って異なる職種にキャリアチェンジするという方法もあります。最近介護士のキャリアチェンジ先として人気が高いのは「看護師」です。働きながら看護学校に通うのは大変ですが、看護師にキャリアチェンジすることの価値の高さを考えれば資格取得を目指す介護士が多いこともうなずけます。また、一旦退職してから学校に通う人も少なくないようです。看護師になれば介護士時代にはできなかった業務ができるようになりますし、介護士特有のストレスを感じることもなくなります。病院などの医療機関ではなく、元々働いていたような介護施設で働くことも可能です。介護施設で働く看護師は医療分野の責任者として大変重宝されます。また、元介護士の場合は病院から転職してくる看護師よりも介護の現場を熟知しているため、歓迎される可能性が高いです。もちろん、介護業界にこだわらず医療現場で活躍することもできます。年齢制限についても介護士よりは緩やかなので、一旦退職してから看護師資格を取得する場合でも転職先に困ることはありません。
看護師資格を取得できる教育機関は「看護大学」「看護短大」「専門学校」などが挙げられます。卒業まで3~4年ほどの期間が必要で、費用は学校によって異なります。「准看護学校」は地域の医師会や病院が運営しているケースが多いです。ただし、准看護師は将来的に廃止される可能性があるので、正看護師資格を取得することをおすすめします。看護学校は高校を卒業していれば受験可能です。
看護師以外のキャリアチェンジ先として人気が高いのは「作業療法士」と「理学療法士」です。リハビリを実施する施設で働いている人にとってはなじみ深い職種かもしれません。作業療法士は事故やケガの影響で障害が残る高齢者、身障者、精神障害者などを対象に、心身の機能向上を図ることが主な仕事です。理学療法士は運動機能に障害がある人に対して機能訓練、電気刺激、マッサージなどを施して状態回復を目指すことが主な仕事です。有資格者の数が介護士や看護師に比べると少なく、需要が伸びている分野です。社会全体の高齢化が著しいこともあり、資格取得後は転職先に困ることはないでしょう。
ただし、非常に専門的な知識とスキルを学ばなければならないため、相当の努力が必要です。費用も、国立大学なら初年度で500,000円前後、私立大学や専門学校なら初年度で1,500,000円前後かかります。資格は国家試験に合格することで取得できます。厳しい道ではありますが、その分給与をはじめとした待遇面は介護士よりも優れています。時間と費用に余裕があり、努力する覚悟がある人はぜひ挑戦してみましょう。
新人の頃は基礎力を身に付けて業務に慣れることから始まります。3年ほど経験を積んだ後は上位資格の取得を目指しましょう。ベテランになってからでも「ケアマネジャー」や「社会福祉士」などの資格を取得することでより高度な業務に関われます。