新人介護士として働き始めた頃の目標は、「業務に慣れる」「基礎を身に付ける」です。事前に介護職員初任者研修を取得していたとしても、研修の内容と実際に現場で求められる対応には大きな差があるかもしれません。一日の流れを把握した上で、一つひとつ丁寧に業務をこなしていきましょう。以下に、入社1年目のデイサービス職員の例を挙げます。
まず、利用者の名前や顔などの基本情報を頭に入れなければなりません。そのためには、「毎日利用者と会話することを心がけ、本人から直接話を聞き、空いた時間にはカルテを読んで持病も把握する」という目標を立てます。細かい業務内容は事業所によって異なりますが、利用者を迎える前の準備や来所時のバイタルチェックなど、基本的な業務は率先して行うことが大切です。
3年ほど経験を積めば、基本的な業務は問題ないレベルになっているでしょう。次のステップに進むためには、上位資格を取得する必要があります。介護職員初任者研修を取得済であれば実務者研修、実務者研修を取得済であれば介護福祉士の取得が目標となります。研修へ積極的に参加し、介護に関する知識を日頃から深めるようにしましょう。また、これまでの業務を見直し、改善点がないか今一度検討することも大切です。
「介護福祉士の試験に合格するために毎日1時間は勉強する」「〇月〇日に開催される研修に参加し、認知症に関する知識を学ぶ」といった目標を立てましょう。これまでの業務を見直す際は、毎日行う業務から確認してください。利用者の移乗動作や起居動作など、何度も行っているからこそ「慣れ」が発生してしまい、知らず知らずのうちに間違った介助方法になっている可能性があります。
ある程度経験を積み、事業所内でもベテランと呼ばれるようになった介護士は、人材の育成に関わるようになります。管理者として、業務改善に関する取り組みや職員間のコミュニケーション円滑化、多職種連携などの業務を行います。例えば人材育成に取り組む場合、「新人教育のマニュアルを見直し、定期的に職員と面談をして意見を募り、一人で業務を行えるようにサポートしていく」といった目標を立てます。これを実現するためには、これまで自分が業務や研修で学んだ知識を職場に反映するためのプログラムを構築する必要があります。
また、より高度な業務に関わるために「ケアマネジャー」や「社会福祉士」などの資格を取得し、キャリアパスを形成するという方法もあります。上位資格を取得し、キャリアを積んでいけば施設の運営に携わる役職に就けるかもしれません。
新人の頃は基礎力を身に付けて業務に慣れることから始まります。3年ほど経験を積んだ後は上位資格の取得を目指しましょう。ベテランになってからでも「ケアマネジャー」や「社会福祉士」などの資格を取得することでより高度な業務に関われます。